FORD F1 との御対面
実車を見るために名古屋まで
某中古車情報誌のネット版で見つけた
48年式 FORD F1 を見に行く。
愛知県は名古屋市
車で5時間コースだった。
お店の人は物腰の柔らかい感じで
並んでいる車はラシーン パオ フィガロ…
万人受けする車より、少々マニアックな車が目立つお店だった。
到着して、早くF1を見たい気持ちを抑えつつ挨拶をしていた。
自分より側方、かろうじて視界に入る位置に
また違った気配を感じた。
もう一台、気になる車が、、、
65年あたりの シボレーC10トラックだ。
お店の人に「あれは?」と尋ねると
「まだ情報公開していない販売車両ですよ」
との事
仕入れたばかりと言うよりかは、そこまで手が回らなくて放置されている感じか…
お目当てのF1にご対面するが、、、
C10も気になるが本題のFORD F1 を見る。
掲載されていた写真はやや前のモノだったのか…
塗装や錆びの状態は思っていたより良くなかった。
ブースターケーブルを繋ぎアクセルを煽り
クランキングする。
エンジンはかかったが、決して調子が良いとは言えなかった。
次第に白煙が立ち込めて、排気漏れの影響もあり車内からその辺一帯まで煙幕の様になった。
そんな状態でもエンジンからの気になる異音は聞こえなかった。
もう少しエンジンのフィーリングを感じてみたかったが火災と間違われそうなので
エンジンを止めた。
ボンネットを開けると浦島太郎が持ち帰った玉手箱のように煙が登り、それが晴れてくるとそこには驚くべきエンジンの姿があった。
塗装はマダラに剥げていて
上はヘッドカバーから、下のオイルパンまで
まるで土混じりのオイルをトッピングしたかのような、オイルまみれのエンジンだった。
もう少し無理を言ってエンジンフィーリングを堪能しようものなら、本当に火災が発生していたかも知れない。。。
F1のボディーにも色々と、、、
次に目を向けたのはボディーだ
全体的にチョーキング現象した黄色で
窓枠などに使われているゴム類はプラスチックのようだった。
フロントマスクの下方は錆びて朽ちていた所をそのままOn the パテ…そしてそれを整形仕切る前に諦めて塗装した感じ。
大きくせり出た自慢のフェンダーは、4枚共に下部が上記と同じクオリティーの修理が施され、更にジャンプでもしたのだろうか?
修理された部分は地面に接触し後方に変形していた…
折れ曲がって割れたパテの断面の厚みが
修理のクオリティーを知らせてくれていた。
タイヤは4本の内3本がペシャンコで、撓んだタイヤの周りには砂が溜まっていた。
暫くこの場で放置されていたのを察した。
事前にネット上で調べた時に気づいたが
オリジナルより車高が低く見えた。
付いていたタイヤが小径だったせいもあるだろうが、リヤよりフロントが下がっていた。
どのようにローダウンしているのか気になり
足回りを覗き込む、そのまま暫く固まった。
側から見たら土下座している様にも見えたかもしれない。
全く見たことが無い足回りが、フロントメンバーごと取り付けられていた。
更に拝んでいるとステアリングラックもスタビライザーも加工取り付けしてあることに気がついた。
もちろんゴムブーツは全て切れている。
走り出すには中々かかるだろう…
時間もお金も手間も…

F1をひと通りみたらもう一度C10が気になって、、、
気になっていたC10の詳細も聞いてみる。
見た目にはそこそこヤレているが悪くない
エンジンはV8で機関良好だが
ATオイルが漏れるとの事。
室内やシャシ周りの状態はそれなりの錆びや
要修理な箇所はあるものの修正可能レベルだ
V8エンジンでオートマ
アメ車らしいワイドボディーのベンチシート
友達にC10トラックに乗っている人がいるので良さは知っている…
天気の良い日…少々無理な体制になってでも片手をドアの外に垂らし、反対の手でハンドルのトップをかったるそうに掴み
オラオラ走るイメージを描くのは簡単だった
走り出すまでにはそんなにかからないだろう…
時間もお金も手間も…

F1かC10か、、、、
正直悩んだ。
短時間に、もの凄い数のメリットとデメリットが頭の中を飛びかった。
恐らく答えは決まっていた。
ただそれが正解だと背中を押して欲しかった。
いや…それは美化し過ぎたか 汗
同意を得ることで、後悔した時に
「独断では無かった」と言う逃げを設けたかったのかも知れない…
一緒に見に行った妻の花(通称)に
双方の状態と、乗り出すのに必要な内容を
ザックリ説明した上でどちらを買うか?を聞いてみた。
花が選んだのはFORD F1だった。
F1を選んだ理由、、、
巷でC10はまだ見ることはあるが
F1はまず見た事がない。と言う希少性
C10は現代のピックアップトラックにもある形だが
F1はネズミがマスコットキャラクターの某有名テーマパークのオブジェかってぐらいに
明らかに現代には無いボディーデザイン。
人の説明を全く反映して無い様な返答で感謝する。
時間とお金と手間を惜しんでいたのを
払拭してもらった。
そしてF1を選んだ理由は花と全くおなじだった。
48年式 FORD F1 を買う事に決めた。