VoL.4 納車!と言うより納品

納車!と言うより納品

1948年式 FORD F1 を買う事にした。

2021年 9月 23日 AM11:00頃

少し疲れ気味の積載車に載せられて
長い道のりを運ばれて来たFORD F1

そりゃテンションも上がる。
早く降ろしてくれ‼︎その車を良く見せてくれ‼︎

お店の方は私の心情とは関係無く
積載車から降ろすのに手間取っている。

かれこれ30分程経っただろうか?
飼い主に、険しい顔で「待て」と言われた
犬の気持ちだった。

何を手間取っているかと言うと
ウチの駐車場は入り口がスロープになっていて、お店の方はその上の駐車場に降ろしたがっていた。
当然スロープに積載車を停めて荷台をスライドさせると、角度や降り切った時の位置が微妙に合わない。

いっそ前の道路で降ろすだけ
降ろせば良いのに…
なぜそうしないのか?
とは特に言わなかった。

ようやく降ろし終わって代金を支払った。
お店の方は、また長い道のりをトンボ返りである。
良く冷えた缶コーヒーを手渡し見送った。

さて…どれどれ。

さて…どれどれ。

先ずは運転席に座る。
特に納車前の洗車もされる事なく
水垢やホコリで曇ったフロントガラスを見て
ワクワクした。

ふと視線を下すと鍵がぶら下がっていて
同じ鍵の2本が1つにまとめられている。
中古車を買った実感。
そのままキーを回してみたが…
うんともすんともない。
バッテリーが、ただの鉛のケースになっているようだ。

少し下がった気持ちを挽回すべく
辺りの視線が無い事を確認し
子供のように運転する真似をしてみる。

ハンドルはコクンコクン。

シフトは何速に入っていようが
ニュートラ確認が出来る。

アクセルはエンジンルームまでリンクが動き

クラッチペダルはフロアに吸い込まれるような仕組み。

そしてブレーキ。。。
そしてブレーキ。。。。
何も繋がっていないようだった。

この一連の運転予行演習で、お店の方が道路では無くスロープの上の駐車場に降ろしたかった理由がスッと入ってきた。

もはや車と言うよりかは品だった。

何か長編映画が始まるような気持ちになった。。。